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イトウ釣り特集

 

北海道北部と東部に広がる荒涼とした原野と湿原河川。この暗く淀んだ水域に日本最大の淡水魚が棲息しています。 「幻の魚」と呼ばれるイトウの釣りを紹介します。GPS座標付きのポイント解説、シーズン情報、アドバイスなども含めて釣行の情報収集に役立ててください。 イトウ釣りガイドは毎年5〜7月の初夏と10月~12月の晩秋に受け付けています。 

ついさっきだよ、そこで釣れた。

 

…え?  うそでしょ!?

祀りあげられた幻

 

「 どこで・・・!?   そこに!?  いるんだ・・・  」

2014年晩秋のイトウ釣行ガイドでのある会話の様子だ。

 

 

日本最大のサケ科淡水魚イトウが  「 幻の魚 」 などと呼ばれるようになって久しい。自分が初めてその名を知ったのは小学生のころだ、家族で温泉旅行の際にたまたま立ち寄った帯広市内の郷土資料館でそのはく製を見たのが最初だった。  当時ルアーフィッシングにあこがれ始めたばかりの自分にとってそれは衝撃だったが、その80cmくらいのはく製には仰々しくこう書かれたプレートが添えられていた。

「 幻の魚 イトウ 」  

 

KAMUYでは晩秋~初冬にかけてこのイトウの釣りガイドを実施している。  年々釣行回数が増えているが実のところこのイトウ釣りでノーヒット・・・  すなわちボウズだったことが一度もない。

純粋な確率論が真実である魚釣りで、これが自分たちの実力だなどと安っぽく誇張したいがために言うわけではない。  このイトウという魚 「 いるところにはいる  」 という事実を伝えたいのだ。  

 

ではなにがイトウを幻にしたのか・・・?

国産イトウのはく製の市場価格は1センチあたり1万円だとか、2mを超えるイトウが川を泳ぐネズミや水鳥を丸のみにしたとか、挙句の果てには水を飲みに来た小鹿に水中から巨大なイトウがおそいかかっただとか、釣り師がおよそ悪ふざけ半分に語ったようなホラ話が都市伝説がごとく昇華したものがその正体なのだろう。

幻だとか伝説だとか、そんなものに対する憧れを人は・・・  とりわけロマンチストの多い釣り師は抱きやすい。  釣り師と魚の話をするときはその両手をまず縛っておけ、というような通説もそういったロマンチシズムに傾倒しやすい釣り師の一面を実にうまく揶揄し表現している。

 

 

イトウが幻になったのではなく、人がイトウに幻であることを求めたのだろうか

 

おそらくはそれが真実なのだろうけれどもそう言いきってしまうとなんだか興ざめしてしまうから止めてくれ、とお叱りを受けるかもしれないが現実の彼らは純然たる北海道の一部地域の気候風土に適応した在来種でありフィッシュイーターである。そして海と川を行き来する魚だ。 釣るための手法はシーバスのそれに酷似している部分が多く、現場での冷静な状況判断をはじめ自然を読み解くセンスとなによりもその土地に精通していることが成否を分けるといっていい。

ガイド現場での自分がロマンチシズムにたいして否定的な傾向なのは商業サービスとしてゲストに接するうえでは、とりわけリアリストであろうとするが故のものだとおもう。

 

今年もまた、多くのイトウに会うだろう。

 

 

イトウの潜む北海道の湿原河川

彼はこの日、人生初のイトウを釣った。

無人の原野に陽が落ちる。 暗い川岸に、水面下に、野生の気配を最も濃厚に感じる時間帯だ

 

■フィッシングポリシー

イトウは長年にわたる河川の改修や湿原の草地化事業によって生息適地を狭められ、依然として環境省指定の絶滅危惧種です。釣り場をいつまでも健全な状態で維持し、未来へ継承してゆくという目的のためガイドの現場ではあくまでも私達からの「お願い」という形で次のような独自のレギュレーションへのご理解をいただいた上で参加していただきます。

1)参加者にはスポーツフィッシングの精神に基づいた キャッチ&リリース ノーキルフィッシング行為 への深い理解と啓蒙、ご協力をお願いしています。

2)キャッチにあたっては魚体へのダメージを最小にとどめることを常に念頭に置き、ランディングにはネットを必ず使用し、陸上への魚体のズリ上げ、ぶら下げ、魚体の圧迫、長時間の撮影、フィッシュグリップの使用、などをなるべくしないようにお願いしています。

3)撮影ではできるだけ魚体を水中に浸したまま行い、魚が窒息状態(エラに水が通らない状態になること) を避けます。

※イトウを抱きたい、持ち上げて写真を撮りたいという気持ちを理解できますので、行う場合はなるべく短時間に、それもできるだけ自身が腰まで水中に入ってすみやかに行うようにしていただいています。( できるだけで構いません。 )

4)再放流ではたとえどんなに水が冷たくても、イトウが自身の力で泳ぎ出すまでは魚体を水中で支え続けていただきます。

​5)希少なイトウの生息地を守るため、ガイドで訪れたポイントの守秘にご協力いただきます。撮影された写真や動画の公開内容や範囲に関しては必ずガイドにご相談の上限定的にご使用いただき、無秩序な情報の漏えいにならないよう努めていただきます。

6)これらの内容にご賛同いただけない場合、ガイドをお断りさせていただくことがあります。

 

■ポイントの紹介

 

 

■別寒辺牛川 (べかんべうしがわ)/ 北海道厚岸郡 

道東の根釧地域で以前よりイトウの釣れるポイントとして有名。ポイントも無数に存在し数多くのイトウの実績がある。最も釣りやすいポイントは水鳥観察館の近辺でここへ来るにはJR厚岸駅からタクシーを利用すると良い。 水際に立つにはJRの線路敷地を跨ぐことになるので注意してください。 

 

■かなやま湖 / 北海道南富良野町 

北海道のほぼ中央に位置する人造湖。 イトウは現在でも数多く生息している。 湖岸にはよく手入れされたキャンプ場やホテルもあるので家族やグループでイトウ釣りをするにはとてものどかで良いロケーション。最も釣りやすいポイントはキャンプ場前のあたりで、ここへ来るにはJR東鹿越の駅から歩くかタクシーを利用すると良い。地元のアングラーは東鹿越の駅から上流側に多く入っていることが多い。地域ぐるみでイトウを保護する活動が活発で釣りの規制区域や期間などに注意。

 

■猿払川 / 北海道猿払村 

オホーツク海に注ぐ道北の有名河川。  数多くのイトウが生息しているイトウの好釣りポイント。最も釣りやすく大型魚の実績の高いポイントは猿払川本流とポロ沼の合流点。  ここへ来るには稚内市街地からタクシーを使うのが一番良い方法で、シーズンになると多くのイトウアングラーで賑わう場所。しかしながら良い場所自体は限られており、あまりにも多くの釣り人が連日北海道内外から入れ替わり訪れるため、現在では屈指の競争率の高い釣り場と化してしまっている。

 

■尻別川 / 北海道ニセコ町 

日本海に注ぐトラウトアングラー憧れの名流。 大都市札幌からほど近いこの川に天然のイトウが今もなお生息しているのはいかにこの川が魚の生息に適しているかを暗に示すものだが、それらは全てイトウを保護してきた地元有志の活動あってのもの。イトウは全流域に生息しているが釣りのしやすい良いポイントはこちらの尻別川ポイントガイドマップを参照すると良いだろう。

 

■天塩川 / 中川郡中川町 

言わずと知れたメジャー河川。  著名な釣り場としてここより下流の雄信内付近からこの辺りまでが釣りやすい場所が多い。 特に中川町近辺の天塩川はこの川の中下流域では珍しく、瀬と淵が交互に繰り返す区間があり、水深と流速にも変化があって立ち込みもしやすいことから自分で探すイトウの釣りで迷っているのであればまずここから始めると良い。 ツーハンドのフライロッドを使って7月頃にこの辺りで探れば出会える可能性がある。 実際のガイドでも毎年何度となくゲストと一緒に訪れている静かで良い場所だ。    ここでは決して浅い川に油断してバシャバシャ歩いてはいけない。大型のイトウが小魚を捕食するのは実はこれら水深20cmもないような浅場だからだ。  ポイントに近づく前によく見てみるとイトウが背中を出してチャラ瀬に横たわっているのを見つけるかもしれない。  あれはまさに小魚を捕食せんとしてチャンスを伺っている状態。  そんなのを見つけたら…  幸運を祈ります。 

 

■声問川/ 稚内市 

現在はあまり知られていない穴場的河川。   以前はイトウ=猿払か声問、というくらいメジャーなイトウ釣り場だった経緯がある。川は全体を通して浅く河畔のブッシュもそれほど深くないことからこの手の川の中では釣りやすいかもしれない。目立つポイントになるのは湿原から流れ込む各小さな合流点。 川沿いに車も走れるためこういった小さな合流点をランガンして回るのも良い。 メーターオーバーは今でもしっかり健在のようで毎年数本は上がっているという。  猿払川がここ最近多い日には数十人から100人ほども日本中から釣り人が集まってしまうのに対してこちらは地元の人中心。  稚内空港が釣り場と目と鼻の先なので実際にガイドで使用することも多い川。  地元のアングラーは10月までは枝幸か鬼志別あたりでせっせと鮭を釣り、鮭が終わったら「イトウ・モード」にチェンジなんだとか。 

 

■シーズン

イトウの魚影濃厚な北部地域でのボートシーズンは5月末〜7月中旬と10~11月末頃までが好適期。1〜2月は雪と氷に阻まれるのと3月はイトウの産卵期に当たるためこの時期の釣行は控えるようにしている。初夏6月以降からは産卵による疲れからも回復して徐々に魚体は太さを増してくるが、パワーがあってルアー・フライへの反応が良いのは10月〜11月。 体高もあり鱗も銀白色に輝くイトウが最もどう猛なファイトをしてくれる。

 

■アドバイス

純粋なフィッシュイーターであるイトウはそれゆえに、ひとたびコツをつかむと非常に釣り易くブラックバス、ライギョ、シーバスなどの他の国内のフィッシュイーターに酷似する部分が多くあるため、それらの釣りに精通したアングラーなら少し考えれば経験からポイントや釣り方を割り出すことは難しくはない。ただ実際に現地の湿原河川などに立ってみるとわかるが鬱蒼と生い茂った葦原とヤチボウズの群生する泥炭地帯が広大に広がり、道路から水辺へアプローチできる場所は多くなく、そういった場所はすでに多くの釣り人の進入によってプレッシャーが高い状態なのが現実。また航空写真などでポイントは簡単に推測できてもそこに実際に近づくことが非常に困難であるばかりか、北海道ではこれらの流域ほぼ全てに野生のヒグマが生息している。 

 

もし独力で釣ろうと志すならばインターネットやSNS上の情報などを頼りに足繁くなんども北海道のこれらの限定されたポイントへ通いこみ挑戦を繰り返す以外ない。運の良い方では1度目の遠征でイトウにであえたという話も耳にするし、5.6年毎年通っているがまだ一度もアタリを感じたこともないという方も多くいるようだ。  KAMUYガイドフィッシングでは全てのイトウガイドでボートを使用して安全にポイントへアプローチしているが、毎年ほぼ確実に最初の挑戦で全ての参加者がイトウを釣り上げることに成功しており、独力での釣行で多大な時間と労力を費やすことが不可能なのであれば、やはりガイドをご利用されるのがもっとも安全でトータルで見ればいちばん安価で安全確実な方法であることが理解できるかと思う。

 

 

■ネイティブ・イトウのガイドフィッシング

イトウ専門のドリフトボートフィッシングツアーは毎年5〜7月と10〜12月に催行している。 通常日程は3〜5日間ほどで行われ、1〜2名での少数での参加が適しており、広大な湿原河川流域のほぼ全域をKAMUYの専門分野であるドリフトボート で安全快適に楽しむことが可能だ。

道北湿原河川「イトウ」徹底攻略ドリフトボート4日間

近年はイトウの増殖技術が確立されるとともに北海道各地のダム湖などに放流・増殖され、イトウ釣りの観光産業化が徐々に進んできている向きもあるが、私たちKAMUYのイトウガイドはこれらの人為的に増殖された魚を相手にするのではなく、私たちが日頃「 コア・ エリア 」 と呼んでいる本来の希少な生息地でのネイティブを相手にした釣りに当初からこだわりをもってやっている。  海と川とを自在に行き来する逞しくヒレの発達した遡河回遊型個体の天然のイトウは正に国内最大の淡水魚として至高のターゲットと呼ぶに相応しい相手ではないだろうか。何やらハードルの高い釣りと思われるかもしれないが比較的温暖な季節だけを選んで催行しているため初心者や子供でも参加が可能。

 

『 チライ 』 とは北海道の先住民族アイヌによるイトウの呼称、太古の昔から湿原の再奥でひっそりと世代交代を繰り返す純血の大魚『 チライ 』の真の釣りを私たちKAMUYのガイドフィッシングではたっぷりと数日間に渡って体験してもらっている。

 

実際に数尾を釣り上げてみるまでは、魚がいる確信が湧かなかった… と話してくれたがそれは初挑戦の誰しもが正直な気持ちだと思う。

KAMUYのガイド現場では広大な水域の中から担当ガイドは自信を持ってある「特定の1点」 をゲストに指示し続ける。  魚の付き場にはある程度の法則性があてはまるものの、その根拠の90%以上は全て「過去のヒット実績」に基づいているものだ。

普段は琵琶湖でバスボートの釣りを楽しむというゲスト。 愛用のバスタックルを是非イトウに試してみたいとこの地を踏んだ。 4日間全て穏やかで魚のコンディションも良く素晴らしい釣行になった。大型スイムベイト、ワイヤー系ベイトなど彼が持ち込んだバス用ルアーには全てイトウの反応があった。

少年は人生2回目の釣り挑戦がいきなり天然イトウのフライフィッシングというなんとも飛び級な明るい親子。 前回は海上釣り堀でサビキでアジを釣ったのだとのこと。「次は何釣るの?」 とこちらが問うと… 「またアジかな」 と 嬉しそうに語って聞かせてくれたのが印象的だった。

​魚の扱いに眉をひそめる敬虔な諸氏もいらっしゃるかとは思うが、初心者で過酷な気象条件下での不慣れな撮影でのこと。 どうかご容赦を。

イトウ特有の地にへばりつくようなファイトをしなやかにロッドの胴に乗せて耐える。 

ガイドが「あそこ。 多分ついてるよ。」 

と指示した直後ゲストに川岸のボサ下をマドラー系のフライで探ってもらいヒット。

​東京でシーバス用のルアーメーカーをプロデュースする彼は終始、定番のスプーンではなく自身が開発を手掛けるシーバス用ミノーでの釣りで通しきった。

 

このとき11月第1週にも関わらず4日間日程の初日に未曾有の大寒波の襲来に遭ってしまった。 冷たい強風に雪が混じり、水は全てターンオーバーして一部は結氷…   3日目まで神経質なショートバイトへの苦戦が続き最終日、帰りの飛行機搭乗の数時間前にしてついにヒット。この日は最悪の天候の中、未明からホテルを出ての釣行。  何かしら確信のようなものがあったからこそそうしたのだが… 真冬のような猛吹雪の連日でも水中のコンディションは常に変化する。初日のターンオーバーのひどい濁りから水質が少しづつ良い色に変化するとともにイトウのチェイスを観察し続けていた彼は状況が少しづつ好転していることを見逃さず、結果を残した。

朱鞠内湖、別寒辺牛川…  とイトウを探し釣り歩いてきたがここにきてやっとイトウに出会うことができたという東京在住フライマン。  不慣れなボートからのフライキャスティングに初日は技法を合わせるのに戸惑いながらも2日目以降からは連日のヒットを積み重ねていった。

​10月の穏やかな小春日和に1箇所で立て続けに良型が釣れ続く。 昨今の釣り人で混雑したメジャーポイントでは絶対にありえないことなのだろうが、ガイドフィッシングではあまり珍しくない。

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北海道の釣りガイドKAMUY