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ガイド日誌 -Recent Highlights             

​Sept, 2018

9月初旬。  

知床半島羅臼町   

​シーズン最終盤を迎えたカラフトマスの釣り。

港から船で走ること30分。

遥かロシア領 「 国後島 」の島影が早暁に浮かぶ。

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この日のゲストは大きな隣人 チャイナ🇨🇳から。

​明るく朗らかな人柄に現場の空気も緩む。

開始早々連続ヒット。

この日のアドバイスは徹底して「静かに」 手前の数百匹の群れを飛び越えた向こう側にキャストすること。 

瀬渡し船の船頭の話では不要な立ち込み、フライラインの水切り音やルアーの着水音で場を荒らしさえしなければ、延々と釣れ続くのだが意外にこれを理解していない人が多いという。 

 

特にスカジットなどスペイ系のフライキャスティングでは水切りの音で至近距離のカラフトマスを自らスプークさせてしまう原因になるので注意。 多くの知床の海岸では後方のキャスティングスペースが十分に取れるのでフライならスペイではなくオーバーヘッド用のタックルの方が良い。 ​どんな優れた技法もその場に適合しているかどうかが大事。

 

ちなみに彼女は地元式の「浮きルアー」 を選んだがそもそも地元で最も普及している釣り方にはれっきとした理由があるもの。コンブ原の浅瀬を一定の棚をキープしながらゆっくりと仕掛けを通すにはこの浮ルアーに勝る方法はないと言って過言じゃない。  

​初体験の釣りで自我を通そうとするのは…  実は一番多い失敗パターン。まずは船頭なりガイドなりの勧める方法でやったら良い。 地元式の釣り方で魚と現場の特性を学んでから自身のスタイルであらためて挑戦し直すのが賢い人の選択。

結果は…  笑顔が物語る。

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コンブ生い茂る浅瀬に累々たるカラフトマスの群れ。

​カラフトマスは母川に遡上回帰するだけではなくこうした波打ち際の浅瀬でも底から真水の湧水があれば産卵する。サケではこうした行動は普通見られない。 サケとカラフトマスの釣り場が一部において異なる最大の理由がこれ。

​知床では海面に直接落ちる遡上不可能な滝の付近でもカラフトマスが寄る。

今回の釣り場全景。

​マスは写真右の河口よりもむしろ河川水の伏流が湧く写真中央のコンブ原の浅瀬によく溜まる。  半島の地元の漁師たちが口を揃えて「マスは陸(おか)を走る」 というように、驚くほど岸近くに寄ってくるものです。

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​成熟ピンクサーモン用に巻いたチューブパターン。

魚の状態如何によって現場でボリュームを調節することを前提にタイイングしている。  小さくしたければマラブーの毛を取り除き、大きく見せたければトレーラーフライを追加。 

​デザインそのものはシンプルが良い。

​朝イチキャスト、1秒後にドン。

​工夫も何もあったものではないのだけれども… これこそが原初のあるべき姿なんだね。

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そうこうしてるとヒグマが現れてマスを狩り始める…

​こういう間は海上に一時避難。

ガイド ツアーのゲストには事前にヒグマ遭遇時の行動マニュアルをレクチャーしている。

​冷静に行動。

手のりグマ🐻

​ヒグマが来ている間は何もできずに船上で待機するしかないが…  パーティに女性がいればこんな時も結構楽しい。

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​マスを捕まえるヒグマにも個性がある。

 

「あいつは上手いな、さっきのやつはダメだ、若造だものな。ああやって追い回すやつはまだまだよ。  年取った上手いやつはな、じっとこういい場所で待ち伏せるんだわ。  通りかかったやつをなパクッとこう一撃よ。 」 

 

ローカルの船頭たちの口調がまたいい。

 

こちらは安全な船上からサケ獲り評価に興じる。

 

​この日結局現れたヒグマは3頭。

マスが川に遡上開始する初日にあたったらしく、船頭のいうにはこの日はヒグマのサーモンハンティングを観察するのに絶好の日だったとか。

​彼は捕まえたカラフトマスを斜面の木立に持ち込んでむしゃむしゃ🐻

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​勇壮でありながらどこか可愛らしさもあるヒグマ。

アイヌ語での名前は「 キムンカムイ 」  …山の神様という意味。

​船上から250mmの望遠で撮影。

​17gのスプーン単体にヒット。

岸寄りして成熟した個体に口を使わせるコツは人の気配を徹底して排除すること。

必然、人混みの釣り場ではほぼ不可能に近く、もはや逃げもできなくなったマスの群れにルアーを集中砲火のように浴びせる釣り場ではスレ掛かりが多発することになるが、これを果たして「釣り」と呼べるのかどうかの議論は別の場所でやってもらうとして、原初の自然を楽しみたいと願う釣り人ならば有料のサービスを利用することを推奨する。

 

北海道では無料の混雑するサケマスの釣り場にははじめから近寄らないのが賢い選択なのかもしれない。  残念なことにそうした大衆がどーーっと押し寄せる場所ではどうしたってマナーとモラルの低下は避けられないという「負の側面」が目立つことが多い。

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女満別空港へ送迎。 KAMUYフィッシングガイドは全員が外国語に高度に対応。

 

​知床半島釣行の空の玄関口となる同港には羽田・関西からの各航空会社の直行便が就航している。

 

空港からウトロのロッジまでは1時間半のドライブなので到着日の釣行は可能。

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北海道の釣りガイドKAMUYは北海道で唯一のドリフトボート、カヤック専門フィッシングガイドサービスです。イトウ、アメマス、ワイルドレインボーなど北海道を代表するネイティブトラウトの釣りを強力にガイドします。
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