ドリフトボート特集
大河を下り、鱒を釣る。
『ドリフトボート』による広大な北海道の本流ネイティブ攻略を紹介。
タックルの構成例をはじめ、フィールド解説、シーズンごとの対象魚、ガイドツアーのプラン比較など。
■ドリフトボートとは
■ドリフトボートは最も効率よく本流域の大型魚を狙う釣り方
■ドリフトボートは最も安全な川釣りガイド New!
■ドリフトボートガイドになるために必要な資格・技能 New!
■現在の北海道はもう以前のような「トラウト・パラダイス」ではない。 高難度化した北海道のフィールドで”ビジター”は歩く釣りでは以前のような確率の高い良い釣りはできなくなった New!
■初心者や子供でもドリフトボートならとっても簡単に釣れるし楽しい。 そして真のベテランと呼ばれる人たちにとっては「鬼に金棒」状態となる。New!
■ドリフトボートがうまく釣りになるかどうかはボートを操船する「ガイド」の技量にすべてかかっている New!
■フィールド解説
■平地流
■急流
■林間流
■湿原河川
■峡谷
■釣り方
■ドリフトボートのタックル
■フライフィッシングの構成例
コラム:初心者だとどれくらいできる??フライフィッシング
■ルアーフィッシングの構成例
◽️ドリフトボートのウェア・服装
■ドリフトボートのメインターゲット 「尻別川のレインボー」
■ドリフトボートのシーズン
■アドバイス
■ドリフトボートのガイドツアー
◽️北海道の各河川別申し込みガイド
◽️ドリフトボートに関する問い合わせ
この川のすべてにフライを送り届けてみたい…
そう思ったことないだろうか?
管理釣り池から小渓流、渓流、そしてさらなる大鱒を求めて本流へと活動域を広げてきた熟練の釣り師なら誰しもが一度ならずともそう思ったことがあるはずだ。
「この大淵のさらに下流にさらにもっと規模の大きな淵があるに違いない… そこはどんな楽園なのか、どれだけ深くてどんな大型魚が潜んでいるのか。 」
釣り人の探究心が最後に行き着く先は水面を自由に移動するボートの釣り。川を下りながら本流鱒を次々と掛けていく魅力的なドリフトボートの世界を紹介していく。
■ドリフトボートとは
ドリフトボートとは、川で行われる流し釣りの一種。 流速よりも少しだけ遅く流れるように専門のガイドがボートをコントロールする。 米国やカナダをはじめとした海外で商業フィッシングガイドの手法としてさかんに行われ、客にサーモンやトラウトを釣らせるための極めて合理的な方法である。
はじめに断っておくと、私たちが日本国内でそう呼んで使用しているドリフトボートとは、ポリエチレン製の全長3.9〜4.5m 全幅2.3〜2.5m の複数気室からなる通称「インフレータブル・ラフトボート」と呼ばれるもので、略してラフトボートとかあるいは単にラフトと呼んだりする。 私達はその使用目的から便宜上これをドリフトボートと呼んで使用しているが、厳密にドリフトボートはアルミニウム製あるいはFRP製などゴムやポリエチレン素材に比べて硬質な素材で作られた川下り釣り専用に作られたボートである。 先のラフトも含め、一般的に川下り用途に特化したこれらのボートは、回転性を向上するため平たくて幅の広いキールレスというタイプの船底構造を持ち、波切りを良くして水の打ち込みを減らすためにバウとスターン両側に大きく反り上がったロッカーを有している点で共通している。
■ドリフトボートは最も効率よく本流域の大型魚を狙う釣り方
たとえば北海道の川で大型化した野生のニジマスなどは放流されたものとは違い数キロメートルごとに一定のテリトリーを持って生活している。 広大な本流では良型の居つく場所をいかにピンポイントで数多く正確に把握しているかが効率よく釣果を上げる上で重要になる。多くの一般の釣り人が広大な本流での釣りになんとなくとっつきにくさを感じている理由は大抵そこにあるのだが、ポイントとポイントの間隔が数キロもあれば それらをいちいち歩いて移動するのに時間と労力がかかりすぎてしまい、なかなかこれが捗らない。 一般的に歩きの本流釣りは忍耐を継続する強い意志の必要な玄人向けの釣りなのだ。 ところがボートを使って川を下る釣りをするとこれが一転して安易な楽しい釣りへと変貌する。 基本的にはゴールデンタイムの短時間にテンポよくこれらの大型魚の生息する本流ポイントを次々とチェックして10〜20kmを流れ下ってゆくだけ。 それも気に入った音楽を鳴らし、お茶やお菓子(時にはお酒も)などを楽しみながらのんびりと流れに身を委ね、のびのびとキャスティングを繰り返すという最高にゆるい釣りのスタイルだ。 ましてや釣れてくる魚のクオリティはまごうことなき野生の本流魚なのだから毎日のように同じ川でツアーをしていても、ポイントに到着して第1投目のフライなりルアーを通すのはいつもワクワクするものだ。
米国オレゴン州デシューツリバーのクラス2〜3クラス相当と思われる瀬でのマッケンジー・リバードリーによる川下り。※wikipedia より
北海道空知川水系でのラフトハーフデイ・トリップ。 川幅の狭小なクラス2相当の急流区間を無事にクリアしてちょっと一息。 スリリングな川下りが楽しめるのもドリフトボートの魅力。
もちろんKAMUYのドリフトガイドは急流川下りの有資格者であり、商業ラフティングカンパニーでの実務経験をガッチリと持ち合わせている人間でなくてはなれないのでご安心を。
■ドリフトボートは最も安全な川釣りガイド
リバーパワーサイドでのトレーラーランチング の様子。
ドリフトボートで釣りのガイドを行う最大の理由は効率よく釣りができるからなのだが、それ以上に重要な理由がもうひとつある。
それは「安全管理のしやすさ」である。 渓谷の奥深くなどの緊急時に救助を求めることのできない地域へお客を連れていくのは事故、遭難のリスクが極めて高い。 ドリフトボートは離着岸を行う場所に緊急時の救急車両などを要請することが可能である。
考えてみてほしい、、1人2人の少人数スタッフ(大抵はガイド1人)で行うことの多いフィッシングガイドでは万が一お客やガイド本人が険しい川歩きで転倒などして足を捻挫したり、骨折したりして自力歩行ができない状態になった場合などにその場所が道路から遠く離れた渓谷の奥深くではそれでもう「お手上げ状態=遭難」 となってしまうのだ。
多くの場合それには消防や警察、民間のヘリコプター出動での大規模な救助活動が必要となる。 救助にかかる費用は莫大である。(民間のヘリを要請した場合の費用は1時間あたり50万円以上とも言われている)
何よりも事故が起きてから実際に救助が到着するまでかなり時間がかかるので救助を待つ間に負傷者自身にかかる負担も大きい。
その点ドリフトボートは自分で歩くことのできない人間をガイド一人の力でボートに乗せて安全に運搬し、すみやかに救急隊の待つ救急車両へと送り届けることが容易なのである。
レジャーでリスクをおかすことなかれ。
KAMUYのフィッシングガイドは商業リバーガイド、山岳ガイド、雪山ガイドなど彼らとまったく同じく、「極めて厳しい社会的責任を求められる」という商業リスク・マネジメントの啓蒙の上に成り立っている。
北海道ニセコで毎年早春に行われるラフティング/カヌー/フィッシング事業者と地元消防局との合同救難救助訓練の様子。 川に一般人を案内する仕事であるフィッシングガイドも当然こういったリバーレスキューの技術に精通している必要がある。
■ドリフトボートガイドになるために必要な資格・技能
ドリフトボートは客を乗せて川を下るため、ガイドには安全にそれを行うための専門の資格や技術が欠かせない。 日本ではドリフトボートとしての資格を認可・発行している団体はまだ存在しないが、実質的に急流川下りである「ラフティング」のライセンスがこれに当たる。 ラフティングのガイド資格を取得するにはまず、ラフティング会社に所属して専門のトレーニングを受けた後に民間もしくは行政団体の実施するライセンス試験に合格する必要がある。 試験内容は学科と実技に分かれ、学科では川の流水構造学や安全管理、リスクマネジメント、リバーレスキューなどの分野から出題される。 実技は実際にボートを使用して川で行われ、専門の試験官が同伴してボートコントロールの技術であるパドリングの能力を評価する。 実技には他にもボートが転覆した際のリカバリーや急流での着衣水泳、CPRなどのレスキュー技術が総合的に判断される。
さらに実際にドリフトボートガイドとなるにはこれだけではまだ足りず、客に魚を釣らせるための技術となる「フィッシングガイド」としての能力が必要である。 フィッシングガイドの技能の中心は「自分以外の他者(客)」に魚を釣らせる技法となり、自分自身が魚を釣る能力とは根本的に異なる。 また近年では海外客への対応の必要性などから外国語の能力を実質的に求められる場合が多い。 フィッシングガイドの技能経験を得るためにはやはり商業フィッシングガイド事業者に所属して実務経験を積む中で身につけてゆくのが近道である。 つまりのところ、「ラフティングガイド」と「フィッシングガイド」双方の技能や資格が必要になるのが「ドリフトボートガイド」であるということになる。
リバーガイド認定試験の様子。 ラフティング協会に所属するラフティング事業者に所属することによって、試験合格までに必要な各種技術を習得させてもらうことができる。
*一般社団法人ラフティング協会(RAJ)HPより
■現在の北海道はもう以前のような「トラウト・パラダイス」ではない。 高難度化した北海道のフィールドで”ビジター”は歩く釣りでは以前のような確率の高い良い釣りはできなくなった
野生のトラウトを北海道の自然河川で釣ること… これはとてつもない魅力があるもので、今でも数多くの釣り番組や釣り雑誌、ブログやSNSなどでその魅力的な釣果が紹介されている。誰しもが憧れてやまない遊びなのだ。 北海道の自然の美しい川で美しいトラウトをカッコよくルアーフィッシングやフライフィッシングで釣り上げてみたい! というのは大抵の人が皆等しく胸を焦がすことなのだろう。 …しかしながらそれを誰もが実現するにはひとつ大きな問題がある。 今の北海道の自然河川でルアーやフライで誰もがこういったカッコ良いトラウトを釣り上げるのは至極、難易度が高いという「どうしようもない事実」が壁として立ちはだかるのだ。
なぜこうにも難しくなってしまったのだろうか? その1番の理由は… ちょっと皮肉なことなのだが、人気があるがゆえに、あまりにも激しい地元の釣り人同士の競争によって今はどこの川でも魚が減少・小型化してしまっているからである。それに加えて追い討ちをかけるように現在ではインターネットやSNSの普及によって、釣れるポイントやタイミングの情報などが数十年前の以前とは比べ物にならないほど誰でもが簡単に知ることができるようになってしまい、結果どこの釣り場もみな荒れ果ててしまったのだ。
インターネットの普及による功罪というものに関して、この北海道のトラウトフィッシングではあまりにもその「負の側面」が大きく作用してしまった感がある。 最近ではそれまで地元の釣り人でも一部の人にしか知られていなかったような所謂穴場に、みたことのないような人たちがネットを頼りにピンポイントに入っていて驚かされることがある。そうしてそれまでの穴場はすべて穴場ではなくなっていったのである。
おそらく現在の北海道では歩いていける穴場というものは全くなくなったと言っても過言じゃないだろうと思う。 実際のところ、昭和〜平成と地元北海道でトラウトの釣りをずーっと趣味として続けていた釣り人がこの近年ではどんどん釣りを辞める人が出てきてしまっている。以前のような魚がもう簡単に釣れなくなってしまったのである。「この穴場は自分だけが知っている…」 …と思ってそれまでやってきた人たちがネットの普及によって「自分だけの穴場」ではなくなり、やる気をなくしてしまったのだろう。
今なおそういう「立派な魚」がよく釣れているのは「物理的に人の進入を拒むようなところか、私有地などによって一般の釣り人の手が届かない場所」に限られているという状態でこれはもうどうしようもない事実である。
ドリフトボートではそうした「物理的に一般人の手の届かない領域」を対象にすることができるが、 年に何度かしか釣りをしない人、釣り旅で北海道を訪れるアングラー、荒地や川の中をスムーズに歩くことのできない女性や子供、シニアなどは正直いって、渓流釣りを簡単に入釣できるメジャーなポイントでやったところでまず、メディアや雑誌で目にするような立派なトラウトを釣り上げることはほぼ不可能といってよい厳しい今の現実があるのだ。
■初心者や子供でもドリフトボートならとっても簡単に釣れるし楽しい。 そして真のベテランと呼ばれる人たちにとっては「鬼に金棒」状態となる。
これは事実である。 実際これを書いている自分が北米で学んできたドリフトのコマーシャルツアーでは数多くの初心者や家族づれが実際に多くのトラウトを釣り上げて楽しんでいた。 そこのガイドが言うにはそもそも、こういう釣りのベテランでも強者でもない「ふだんあまり釣りをやらないごく普通の一般の人たち」にトロフィートラウトを確率よく釣らせてあげられる唯一の方法がこのドリフトボートなんだよ。 と誇らしげに語って聞かせてくれたものである。
釣り場が高難度化してしまった経緯は日本よりもむしろあちらの方が顕著であることはあまり日本では知られていないことだが、やはりそれでも国土の面積の広さという点において圧倒的な広大さを持つ北米では、川でドリフトボートを使って広範囲を効率よく釣りをすることによってまだまだ釣りの初心者や子供たちでも良い釣りが可能であった。 …そしてこれは北米と似たような事情を持つ北海道でも同じである。 入れ替わり立ち代り常に釣り人の入っているポイントでは全くと言って良いほど魚の反応は失われてしまって久しいし、かつて穴場と呼ばれていたような険しい場所であっても大型のトラウトなどはもうほとんど生息していない。だが、ドリフトに乗って漕ぎ出し、ひとたび歩きやすいメジャーポイントを離れて鬱蒼とした河畔林や断崖絶壁、水深のある急流地帯などの限られた一部の区間に操船技術を駆使してうまく漕ぎ入れることができれば、かつてのトラウト・パラダイスの様相がまだまだ残されていて、初心者や子供たちにも美しいトラウトが彼らの竿にいとも簡単に釣れてくれるのである。
日本に戻ってから十数年… 微力ながらこれまでにもたくさんの人たちの喜びに力添えをしてきた。 多くのゲストを案内していて思うのはドリフトボートの釣りではベテランと初心者や子供による釣果の差がほとんど出ないということである。 しかしながら釣りの技術や魚の付きどころを長年の確かな経験で培ってきた「真のベテラン」と呼ばれるエキスパートはやはり違う。。 ドリフトボートを使うことによって真のベテランはドリフトのガイドとの呼吸のあったチームプレイで「圧倒的な釣獲力」を得るものなのだ。
ドローンを使用しながらのデジタル・サイトフィッシングの様子。 ボート上で手元のタブレットの画面上の魚の位置と動きを確認しながらの超ロングレンジからのダウンストリームの釣り。 バイカモ群生地の一等地に陣取るグッドサイズの鼻先に静かにニンフを流し込んでゆく…
「うおっっ! 今少し反応した!揺れたぞ!… もう少し右だ、いや下に流し込め! 70cmはあるぞ! 」 …とかなんとかそんな感じ。
ボートで釣るだけにとどまらず、最新のデバイス技術を駆使して新しい遊び方をも作っていく。
■ドリフトボートがうまく釣りになるかどうかはボートを操船する「ガイド」の技量にすべてかかっている
広い北海道。 これだけドリフトボートが釣れているというのにどうしてそれをサービス提供するガイドが増えないのか、気になる人もいるだろう。 また、釣果を目当てに個人でドリフトボートをやる人がどうして増えてこないのかも同じく不思議に思うかもしれない。
これはなぜかというとおそらくは… 「やってみたけど思ったように釣れなかったから」 である。
自分で見よう見まねでドリフトボートをやってみても、おそらくは結果に繋がらなかったのだろうと思う
。 …そう、ドリフトボートは「操船者の技量によって結果に大幅に違いがでてくる」ものなのだ。 これはよく考えればわかることだが、例えばスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツと同じである。道具を自分で買って揃えたからと言ってすぐにオリンピックの選手がやるような結果にはならない…ということなのだ。
つまりは「ボートを使うこと」が釣れる直接の理由なのではなく、「ガイドの操船技術」のほうが実は重要だったということになる。 ドリフトボートのガイドははっきり言えばスペシャリスト。 相当に高度な専門分野の技術者なのだ。 ボートを川の流水の中で意のままに操り、釣り人を乗せてその「カスタマー(お客)が扱うルアーなりフライなりを川の中の思った場所に的確に届ける技術」…である。 ボート、川、トラウト、釣り、お客(人間)…その全てにおいて高度な理解と技術や経験があった上でなお、それらを複合的に組み合わせないとドリフトボートのガイドは成立しないのである。 それに、そもそも川でボートを扱うガイド本人は釣りなどできる余裕はまったく無い。 というのも、個人でボートを出して川で釣りをするとなると、操船者自身が釣りをするためにはいちいちボートを安全に停船させねばならず、まったく釣りが捗らずに「機動力の高さ」というボートのいちばん良い部分をスポイルしてしまうばかりか危険も生じてくる。わかりやすい例えだとスマホでメールをしながら運転するのと同じである。(…やってはいけません) つまり個人の釣りとしてはドリフトボートは「非効率的」であり、実質不可能なのである。 ここまで書くと誰もがわかるとおもうが、「ドリフトボート」というのは基本的に商業ガイドにはこれ以上ないというくらい適しているし、その効果たるや圧倒的なものだが、個人の釣りの手法として使用するにはまったくもって不向ききわまりないのである。
自分にはあるニセコのラフティング会社の友人がいて彼は今までに何度も自社のラフトボートでKAMUYと同じコースを自分の息子に竿を持たせて下ってみたが… そのうち彼がいつも首を傾げてこういうのである。
「いったいどうやってあんなにいつも魚釣らせてるの??? 僕が同じとこで同じようなことやってもまったく釣れたことないんだけどさ…」
そういう彼だってラフトガイド歴20年以上のベテランである。彼くらいの操船技量をもってしてもドリフトボートとしてはまったく成立しなかったらしい… おもうに彼には「釣りとトラウト」それに何よりも「ドリフトボート」としての技術に関する理解が明らかに足りなかったのだが、 川の中でボートを意のままに操ることにかけてのプロフェッショナルである彼ら生粋のラフティングガイドであってもドリフトボートはすぐにうまくできるものではないのである。
十勝に住むベテランルアーマンの友人が同じように十勝川でドリフトのガイドになるためにトレーニングを積んでいた時も初めのうちに彼は盛んにこう言っていた。
「ぜんぜん釣れないというか… そもそも川を下るだけでいっぱいいっぱいで釣りする余裕なんてまったくないです。 ていうか、これボート使わないほうがまだ釣れますよね。 すみません。 ボートさえ出せばすぐに竿抜けポイントで夢のようにバンバン釣れるって思ってました… ちがったんですね。 思うようにボートコントロールすることでさえこんなに難しいのに、それにさらに乗せた釣り人の竿先のルアーやフライをもガイドがボートでコントロールしているなんて… 知らなかった。 ナメてましたw これは相当に練習と経験が必要ですね… いや自分では無理ですね。 指導者が絶対必要です。 」
この十勝のルアーマンの場合は「流水のボート操船」に関する技術を得る必要があるということなのだが、彼がカスタマーを乗せてなんとかドリフトボートの形になってくるまでに練習でどれだけの苦難と時間がかかったことだろうか… (何台のロッドを折ったり、水没させてリールごと紛失したことか…w しまいにはトレーナーとして同船していた自分も渦巻く流水の中に放り出されることになったし…w)
そう、ドリフトボートのガイド技術ははっきりいって相当に習得が難しいのである。 北米のガイドカンパニーでも事情はまったく同じで、ガイドとして立派に客を案内できるようになるには、誰しもが相当な時間と練習、経験が必要なのだと語って聞かせてくれたのを思い出す。
ドリフトボートはお客として乗せてもらって釣りをするのはとても簡単で子供や初心者でもすぐできるし、ものすごくよく釣れるので楽しい。しかしながら自分でボートを操って釣りの結果に繋げるのは極限に難しく、一朝一夕で誰にでもできるものではないのである。(事故が起きてからでは遅いので決して素人がマネをしないように! 命に比べたらドリフトのガイド料など安いものである。)
KAMUYでは毎年、オブザーバーと呼ばれる北海道の10〜20代の若者たちに少しづつこの「ドリフトボート」の技術を自分が指導している。 彼らは未来のドリフトボートガイドの「卵」である。
■フィールド解説
ここではドリフトボートの活躍する河川をタイプごとに解説してみる。ボートの釣りは徒歩での進入を激しく拒むようなところほど真価を発揮する。 自分の足で歩いて釣りをするのと比べて広大な本流ポイントを短時間で攻略するのが可能なのと、何よりも安全で疲れずにそれらを行える点がいい。…どんな人でもいちどドリフトボートの釣りに慣れてしまうと、苦労して歩いて本流釣りをするのがバカらしく思えてきてしまうという。ドリフトボートはそれほどに合理的な釣り方。
■平地流
全体的に緩勾配で水量・水深のある河川。 日本の釣り師の間で言うところのいわゆる「大本流」 の流れの様相。 一見変化に乏しいようにも見えるが、瀬と淵が連続するという基本的な河川の構造パターンは水面下にあって健在であり、魚の付き場ははっきりしている。
■急流
落差があり白泡を噛む急流。 極度に落差の激しいものはホワイトウォーターとかスウィフトウォーターなどと呼ばれる。魚の付き場とフィーディングゾーンはともに狭く ボートの流速も早いため正確で手返しの良い確実なキャスティングが要求される。 ドリフトボート熟練者向きの様相。
■林間流
両岸を濃密な河畔林に覆われた様相。 極相となった森林に流木が積み重なった両岸は激しく人の進入を拒んでいる。 このような場所はドリフトボート以外では誰も立ち入ることのできない領域だけに期待が持てるエリア。
■湿原河川
広大な一面の葦原に囲まれた湿原地帯を蛇行してゆっくりと流れる様相。 チョークストリームとも呼ぶ。 海抜標高が0mに近い地域では海の潮汐や風向きの影響を受けて川が逆流することもある。
■峡谷
両岸を切り立った崖に挟まれた様相。 谷底を急流が流れているが、規模の大きい峡谷では平地流が流れているような場合もある。
■釣り方
基本的にボートは停止させずにガイドのコントロールによって川の流速よりも少しだけ遅く流れるようにスピードを調節される。釣り人はボート上からのキャスティングを繰り返して次々と新しいポイントへフライを送って魚を探してゆくが、釣り方はアップクロス、クロスストリーム、ダウンクロス、また時として完全なダウンストリームなど一般的な本流釣りの時のそれと全く同じ状態である。 違うとすれば自身がどんどん下流に移動してゆくということだ。 釣り人自身がボートの挙動に慣れてゆけばゆくほど、より高度なガイドとの複合テクニックを駆使できるようになる。 ガイドと息のあったコンビネーションで良いキャッチを達成した時の喜びは最高だ。 こちらの動画では重いストリーマーを使用してストラクチャーに付いたトラウトを狙っている。 正確なキャスティングとガイドのコントロールするドリフトボートとのチームワークでテンポよく釣ってゆく様子が、とてもわかりやすく解説されているのでぜひイメージの参考にしてほしい。 ルアーの場合も基本的には同じだが、より深い流心部のボトムをダイレクトに狙うこともルアーなら可能になる。 何れにせよ、フライのキャスターにはそれなりの技術が必要であることは一目瞭然かと思う。
■ドリフトボートのタックル
川を下りながら釣りをする経験は誰しもがそうあるものではない。ましてや多様化するフィッシングスタイルやメソッドの確立によってタックル構成の選択肢は今や増える一方だから、どんな構成でドリフトボートにのぞんだら良いのか情報のない日本国内で皆目見当がつかないのは当然のことだと思う。
ここでは北海道での私たちのドリフトボーティングとベストバランスを生むであろう構成例をいくつかのタイプごとに紹介する。 具体的なメーカー・製品名・番手に至るまであえて精細に紹介しておくのでタックルの設定で迷っているという場合は参考にされると良いのではないでしょうか。
◽️乗船人数とキャスティング制限
大事なことを一つ断っておくが、動画を見ても分かる通り、このドリフトボートの釣りはガイドが操船するボート1艇につき快適に釣りができる人数は1名である。 話が飛ぶがオフショアでのビッグゲームでのキャスティング・チャーターをやったことがあるだろうか? 要はあれと同じなのだが、1人のキャスターのためだけにキャプテン、デッキハンドなど全員が呼吸を合わせてボート全体をコントロールする。 そうやってキャスターは初めてゲームに集中できるわけだが、ドリフトの場合も全く同じで、キャスター1人のためだけにガイドが操船し、陸上には回収作業のためにトレーラー車両とドライバーを待機させておくというものだ。 つまり何が言いたいかというと、コストパフォーマンスを求めるあまり、乗船人数を増やしてしまうと、自分がキャスティングするには順番待ち、ということになる。 もし最大限にガイドが力を発揮して協力してくれて2〜3名同時にキャスティングさせるとしても、1人で乗船してキャスティングするときのような自由度はまず期待できないということを覚えておいてほしい。 具体的には1人ならあらゆるタイプの釣り方やタックルにガイドは合わせることが可能である。 2名になると2人同時に釣りをしようと思えばまず、2人が立って釣りをすることができなくなる。同時に使うことのできるロッドの長さも制限されるだろう。 さらに3人となると立てないのは当然のことながら、キャストもお互いに気を使い合わなくてはならなくなる。 まずルアーであってもフライであっても3人同時乗船で同時に釣りをしようなどと思ったらかなりのストレスは覚悟しておかなければならないだろう。 例えば乗船者全員が一流のバスプロくらいにルアーとロッドを扱える技能を持っているのであれば、これは余裕で可能であろう。 残念ながら素人はそんな技術は到底持ち合わせていないので、必ず誰かがキャストミスをしたり、根掛かりをしたりしたらその都度、全員の釣りが停止させられてしまう。 非常に流れが悪くなってしまうのだ。 ただ、これはあくまでも3人それぞれが自分の裁量で自由にキャスティングをしようと思った場合の話である。 実際にはガイドがそういった場合に3人それぞれに釣りの方法やルアーやタックルを指定したりすることによってなんとか釣りになるようにコーディネートしている。 そうでなくては釣りそのものが全く成立しなくなってしまう可能性すらあるのだから、これは致し方のないことだ。 KAMUYでは最大5人乗船でファミリードリフトボート というのをやっているが、5人乗ってそれぞれ自由にキャスティングなどうまくできるわけが無いので、同時に釣りをするのは2名までか、よほど慣れてきたときに3名にかろうじてできるかどうかといったところで、残った人は順番待ちということになる。 まぁファミリーの場合は付き合いでくるものや女性や子供もいるから、むしろそのくらいのやり方でちょうど良い感じになるのだが‥ 全員が目をギラギラさせて釣りをしたいもの同士であるなら乗船人数というのはよく考えた方が良い。 そういう構成の場合のオススメはせいぜい2名までだ。 1人がメインキャスター、もう一人はフォローという感じになる。
■フライフィッシング
シングルハンドスカジットの登場でフライフィッシングはいよいよルアーを超える存在となりつつある。
ドリフトボートではポイントがどんどん通り過ぎて移動してゆくために同じスポットに2度以上仕掛けを通せることはほぼないと言っていい。 つまりドリフトボート上からのキャスティングでは間断なくポイントを打ち変えてゆく釣りになるのだが従来のフライフィッシングはキャスティングの技術的な制約上手返しの悪さという点でルアーに劣っていた。 ところがシングルハンドスカジットのフライキャスティングは従来のように空中でいちいちフォルスキャストを挟んでラインループを整えるための間が必要なくなり、キャスターは足元のわずかなアンカースペースさえ得ることができればたちどころにDループを作り出して任意の目標点に速やかにフライを運ぶことが可能になった。 極めて分かりやすく言うとよりルアーに近づいたのである。むしろリール操作をほとんど必要としない点ではルアーをも超越してきた感があるのだ。 しかしながらこの一見ヘッドウェイトを数メートルという短いレングスに集中させてまるで太い「うどん」のようなラインごとフライを放り出すように見えなくもないスカジット技術は、今まで通りのトラディショナルなフォルスキャストスタイルのフライキャスティングをこよなく愛し、ループ操作の技術を磨いてプライドを持ってやってきた往年のフライファンたちにとって少し受け入れ難く感じている面もあるのかもしれない。 しかしながら技術の革新”イノベーション”と言うのは釣りの世界に限らず新たな若い世代のファンの獲得をはじめ、ひいては更なる革新領域への技術進歩への大きな機会でもあるわけで… 今日スカジット・タクティクスが許せない、とするベテラン諸氏にはどうか大きな広い海のような心を持って見守っていてほしいと願うものである。 実際2019年のKAMUYドリフト釣行ではこのシングルハンドスカジットは目覚しい威力を発揮し、ルアーも含めて他の釣種の結果を大きく凌駕することとなった。 ことトラウト・サーモンの釣りにおいてはキャストさえ簡単ならばフライはやはり「最強」の釣りなのであるということを改めて思い知らされることとなったのである。
ドリフトの流し釣りでは前述した通り、同じポイントを繰り返しフライを通すということが無いために、1度のプレゼンで確実に魚にフライを見つけてもらうことのできるアピールの大きなフライは、この場合ひじょうに効果的ということになる。 実際には1/16オンス〜1/8オンスほどのコーンヘッドを巻き込んだ重いストリーマーやチューブフライを素早く目的のレンジまで沈めて素早くターゲットを誘惑し、手返しよくピックアップしてテンポよく次のフェーズへと局面移行してゆく運びとなる。 ドリフトボート初挑戦での失敗が目立つのはドライフライやニンフ用の低番手のロッドとフローティングラインだけを持ってきてしまい、大型魚のいるボトム絡みの深いレンジにまったくフライを届けることができないか、もしくは水面の昆虫などを捕食している小さな魚にしか相手にしてもらえずに良い釣りが成立しなかったという手痛いケース。 6月の大型メイフライの集中羽化の時期など、よほど特殊な場合を除いては#3〜#5といった低中番手のロッドとフローティングラインの組み合わせによる一般によく知られたドライフライフィッシングの類はドリフトではほぼ不要と思って良い。 ドライフライやストリーマーフィッシング用にそれぞれに特化したタックルを何台も持ち込むという手もなくはないのだが、ボート上に使わないロッドを置いておくのはキャスティングや魚とのやり取りの邪魔になり、バランスの悪いボートの上ではあやまって踏んで破損してしまうというようなことも起こりうるから実際に持ち込むロッドはできることなら1台に絞るのが良いのは間違いない。 究極シンプルにシングルハンドスカジットだけで全てをやってしまうというのもありだ。 ただでさえかさばる遠征時の荷物を少なくすることができる点はトータルで快適に釣りをする上ではメリットが大きいだろうし、仮に複数台を持ち込んだところでむしろ現場での選択肢を増やしてしまい、人間側の管理ソースを割いてしまうことで結果的に釣果を悪くしてしまうことはよくあることだからだ。 それでもどうしてもドライフライの可能性は捨てられないという熱心なドライ党もOPSTのフローティングティップを用意してベストのポケットにそっと忍ばせておけば、いざという時のライズハンティングにティップとフライの簡単な変更だけですぐに現場でそこそこにはライズフィッシングにも一応対応できる。
◽️ロッド & フライライン
オススメのロッドは「 OPST 」 シングルハンドスカジットに特化し、初心者でもキャスト感覚をつかみやすいシンプルなシリーズ。 ついでオススメするのはORVIS社の「フルフレックス」と呼ばれるアクションを持つロッド勢。 フライラインはOPSTコマンドヘッド+OPSTレーザーかコマンドスムースを好みで選べばOK ティップはOPSTの対応レングスのBucketとRiffleを両方用意。
尻別川でガイドが使用するメインロッドはOPSTの6番。 ヒゲナガのカディスピューパなどの小型のフライからイントルーダーはもちろん、大型のゾンカーやチューブフライまでもなんとかキャストできるパワーのある300グレインヘッドは
いちばん中間的で使いやすい。 キャストのテンポの速さを重視するなら下の動画でやっているように150グレインヘッドを7フィート3番ほどのパラボリック(フルフレックス)アクションのロッドに乗せた、フライ版の「マシンガンキャスト」的な構成も面白いだろう。この場合のフライは小型の「マイクロ・イントルーダー」を使用している。
◽️ティペット
シングルハンドスカジットにテーパードリーダーは不要。 ティペットはスカジットティップの先に30~40cmもつけておけばそれで良い。 このシンプルな扱いやすい構成もこのラインシステムの魅力。
シングルハンドスカジットにはドライフライフィッシングのようなテーパーのついた長いリーダーは不要である。ではどうするかというとスカジットティップの先に普通のナイロンモノフィラメントをループtoループで30~40cmも接続しておき、すぐにその先にフライを取り付ければそれで完成。 尻別川などの場合10kg超のイトウなどのヒットする可能性をいつだって無視するわけにはいかないのだから、当然ティペットにだって相応の太さと強度が必要なわけで、ガイドはいつも25ポンドテストのソルトウォーター用のショックリーダーをティペットとして使用している。 接続・結節の方法はスカジットティップ、フライ側両方ともにフリーノット。 これは3番ロッド〜9番ロッドまで全部同じである。
◽️フライ
本流ドリフトボートの釣りでターゲットになる本流鱒たちはすべて魚食性のフィッシュイーター。マッチ・ザ・ハッチという考え方でフライを選ぶのであればフライはストリーマーの一択となる。
このドリフトボートのフィールドで釣れる本流鱒にはニジマス、ヤマメ、エゾイワナ、ブラウントラウト、イトウ、アメマスなど。彼らは基本的にこの本流区間にたくさん生息しているウグイやドジョウなどのベイトフィッシュを主食にしている。ドリフトの区間であっても水面の流下昆虫などを捕食するライズが全くないわけではないが、それらは主に小型のトラウト類と上記のベイトフィッシュたちのものに他ならない。 むしろドリフトで狙うべきはそれらの小魚を捕食する中〜大型のトラウトであって、 フライフィッシングというと日本では水生昆虫を模したドライフライやニンフの釣りをイメージする人が一般的に多いかもしれないが、この場合のフライフィッシングは小魚を模したフライをキャスト後に目的のレンジまで沈めて、川の水流を利用して下流側に扇状にスウィングしてそこに捕食待機状態で居着いている本流のフィッシュイーターたちを誘う釣りである。一般的な日本人のイメージするフライフィッシングというよりはむしろ本流のミノーイング、ルアーフィッシングに感覚的に近い釣りとなる。 ラインシステムがスカジットということもあって、フライはかなり大型の重量のあるものまでが無理なく使用できるが、ガイドが自分で釣りをする場合はほとんどを「 イントルーダー 」と呼ばれるタイプのアトラクター的なウェットフライを使用している。 イントルーダーは見た目のサイズとボリューム感よりも実際に使用するマテリアルの量は少ない。 これはキャスティング時のフライの水キレの良さを追求したためのもので、スムースなスカジットキャストやフライ自体の震えるようなスイミングアクションをも可能にする秀逸なデザインだ。
イントルーダーのタイイングで気をつけていることはマテリアルの量を多くせずに見た目の「ボリューム感」をなるべく出すよう努めること… 各部材のフレア具合を確認しながら焦らず丁寧にシャンクに乗せていく。 タイイングに慣れていてもひとつ製作するのに1時間くらいはかかってしまうので量産するのは難しいだろう。 ダンベルアイのサイズは尻別のドリフトで使うならいちばん小さいSサイズのもので良い。
レトロなシェークスピア4番のグラファイトロッド7ftに175grのコマンドスムースを使用している。これくらい短い竿だととても手返しが早くテンポが良い。10キロメートルの本流区間に狙うべきポイントは100箇所以上。 それらを半日で全てチェックしていく。 さあ、今日はどこで鱒との出会いがあるものか‥ 途中のどこかでコーヒーやランチをしながらのゆる〜い釣り。
こんなひらけた河原のあるところなら、どこでも練習ができる。 若い人を中心に最近はなんでも「 練習が必要なもの 」は人気がないのだとか… バカだなと思う。 そんなの人生の楽しみの半分を自ら捨ててるようなもんだ。 ロッドは6番 10.6ft グラファイト。 ヘッドは300gr コマンドヘッド
1/16ozコーンヘッド・ゾンカーチューブ。 パイロットフライに使用する。フックを自由に交換できるのが強みでフリーフォールで水平姿勢を保つようにフックのウェイトを調整するのがコツ。
がまかつ製管付きソイ20号を装着した 1/8ozコーンヘッド・140mmラクーンゾンカーチューブ。 イトウに。大きなフライは作るのも使うのもワクワクする。
最近オススメのストライクインジケーター。 1/8ozクラスの重ニンフを背負っても遠くからでもポッカリ見やすい。 ルースニング(ウキ釣り)メソッドはドリフトボートと相性が良い。
ドリフトでの使用にはランニングとヘッドがあらかじめ一緒になった「Commando smooth」がオススメ。 ガイド通りも滑らかでボート上での素早い取り回しもスムーズにストレス無く行える。 Commando smooth の他に狙う水深やドライフライなどの使用も想定に入れて専用の各種ティップを数種類用意しよう。
米国シアトルに本拠点を置くフライフィッシングメーカー。 シングルハンドスカジットに特化した各種フライラインの製造・販売を行なっている。 2020年現在KAMUYドリフトボート・ガイドの最も信頼するブランド。
■軽快なシングルハンドスカジットで本流の流心底に定位するランカートラウトに潔く狙いを絞った#6ロッドのシンプル構成。 ドリフトボートからのキャスティングでアメマス・野生ニジマスなどのランカー狙いから湿原河川のイトウの他、各種サーモンの釣りにもそのまま対応可能。 ティップを交換して大型ドライフライやヘビーニンフの釣りにも現場で素早くチェンジできる。 KAMUYではこれ1台でほとんどの釣りをカバーする神仕様。 ドリフトボートからのキャスティングにはこれ以上ないと言って良いくらいの好相性で軽く一振りするだけで重いスティールヘッドフライも遥か彼方へと運んでくれる。2名乗船でも双方ともにキャストスキルがそれなりにあれば安全快適に2名同時にキャスティングの釣りができる。
■シングルハンドスカジット/ドリフトボート用タックル構成例 タイプ:バーサタイル
ロッド: OPST Pure Skagit 10ft 6inch #6 (シングルハンドスカジットの技法自体は胴に調子の乗るスロー気味のロッドとの相性が良く、先調子のファストアクションのロッドではタイミングが取りにくい。*と言いながらわりとどんな竿でも全くできなくてダメということはないので最初はロッド選びに神経質になりすぎる必要は無いと断言しておこう。)
リール: #5-#6
フライライン(ヘッド):OPST Commando head 300gr
ランニングライン: OPST Lazer Line 25lb
フライライン(ティップ):OPST Commando Sink tip (Riffle, Bucket) 80gr S6 Bucket 10ft / 80gr S2 Riffle 10ft
フライライン(ドライフライ用ティップ): OPST Commando Floating tip 55gr/3.6g 7.5ft
バッキング:20lb (巻き量はリールキャパシティに応じて調節)
ティペット:ナイロンモノフィラメント(ソルトウォーター用ショックリーダー) 25ポンドテスト
ティペット(ドライ/ニンフ兼用)Tiemco Misty Plus Tippet 4X~5X
フライ:各種大型ウェット・ストリーマー・サーモン/スティールヘッドフライ・チューブフライ・大型ドライフライ・ヘビーウェイトニンフなど
◽️ドリフトボートからの手返しの速さを重視した7フィート#4ショートロッドとOPSTコマンドとの組み合わせ。ロッドの短さを生かして変則的なバリエーションキャストを楽しむことができるKAMUYガイドのお気に入り。 2名以上乗船で同時キャストでも良いし、スタンキャスターのフォロー用としても◎ 全員のキャスティングスキルがそれなりにあれば3名乗船でも同時キャストができるだろう。
■シングルハンドスカジット/ドリフトボート用タックル構成例 タイプ:マシンガンキャスト
ロッド: シェイクスピア 7フィート #4 グラファイト
リール: #3-#4
フライライン: OPST Command Smooth 175gr
フライライン(ティップ):OPST Commando Sink tip (Riffle, Bucket) 80gr S6 Bucket 10ft / 80gr S2 Riffle 10ft
バッキング:20lb (巻き量はリールキャパシティに応じて調節)
ティペット:ナイロンモノフィラメント(ソルトウォーター用ショックリーダー) 25ポンドテスト
フライ:マイクロイントルーダー、ヒゲナガウェット、コンブランナーなど
■フライフィッシング 最初は要するにこれさえ買えばとりあえずは準備OK!
予算が十分にあればOPST社のロッドが良いが、老舗ブランドORVISから発売されているフライフィッシングのスターターセット「クリアウォーターアウトフィット」もバランス、デザイン、コストパフォーマンス的に秀逸なのでオススメしている。 フライフィッシングはルアーと違って「ロッド」のアクションやラインとのバランスがうまくいっていないと上級者でもキャスティングが難しくなってしまう。難しいだけならまだいいが初心者の場合はまったくキャスティングにならなかったり、しまいには変なクセがついてしまったりもしかねないので最初のバランス良いタックル選びは慎重に。 オービスのクリアウォーターシリーズはこの点OPSTのコマンドシリーズとの相性はガイドも実際に確認済みでバッチリ。 あえて言うならば安さに負けて変な中華製のロッドやライン(数年前からAmazonなどでよく見かける)を買ってしまわないように注意してほしい。 あとあと後悔するだけなので。 まだまだ中国はこの分野に関しては特に未熟極まりないのである。 これだけをまず自分で買ってあとのティペットやフライは現場でガイドから分けてもらおう! タックルの初期セットアップもプライベートガイド なら現場で教えてもらえる。
ロッド、リール: オービス 2Z9L クリアウォーター 906-4 アウトフィット 42,900 円
シングルハンドスカジット用フライライン:OPST Command Smooth 300gr 13,750円
シングルハンドスカジット用ティップ: OPST Commando Sink tip (Riffle) 80gr S2 Riffle 10ft 3,630円
バランスのとれたタックルを選択して、ガイドから基礎やコツを習えば初心者でもわずか1時間でこれくらいはできるようになる。彼はフライどころかルアーすらも投げたことのない「正真正銘の初心者」 シングルハンドスカジットは今まで「なんか難しそう」で「極めし者だけの釣り世界」 だったフライフィッシングの根本を覆してくれそうなゲームチェンジャーになっていくだろう。 ぜひ多くの人にこの「美しい釣り」を試してもらいたい。
2日目はさっそくドリフトボートからのスカジットキャスティング。 2時間ほどで10尾以上のネイティブニジマスを釣って満足。
季節やタイミングも絶好だったが、うまくガイドにコーディネートしてもらうとまったくの初心者でもこれだけのことができる。 シングルスカジット&ガイド&ドリフトボートの組み合わせ、恐るべしである。
■ルアーフィッシング
乗船人数・キャスターの技量によって扱いやすいロッドの長さとパワーが変わる点に注意。基本になる5〜5.6フィートのウルトラライト・スピニング/ナイロン4〜6ポンド 100m はどんな人も必ず用意してほしい。
◽️長く硬い竿は扱いづらく、短く柔らかい竿ほど扱いやすい
ボート上に立って自由にキャスティングができる1名乗船の場合、レングスは遠近の投げ分けのできる7ftくらいまでのロッドが使用できる。ロッドのパワーは使用するルアーのウェイトや引き抵抗に合わせると良い。 ミディアムライトクラスの7ftくらいのスピニングロッドがあればそれでほとんどのルアーで各ポイントをカバーできるのだが、 ただ一応補足しておくとこれはキャスターの技能が十分にあればという条件付きで、キャストのたびにロッドを大きく振りかぶって、都度振りおろさなければならないような初中級者の技術レベルであれば実際にはこれよりももっと短く、柔らかいロッドを使う方が明らかに本人は扱いやすいだろうし釣りのテンポも良くなるから、必然的に結果にも影響する。 意気揚々と長く硬いロッドを持ち込んだものの‥ 「 ダメだこりゃ‥ 」 となってしまうことは少なくないので自身の技能が判断できない場合は必ず短くて柔らかいロッドも忘れずに用意してほしい。
2名以上からは安定性の関係から立って釣りをすることができなくなるので、着座からのキャスティングとなる。この場合は水面までの距離が立って釣りをする時に比べて近くなるので、長く硬いロッドはとにかく扱いにくい。 この場合もやはり推奨レングスは 5〜5.6ft パワーはUL(ウルトラライト)か 硬くてもL(ライト) くらいまでとなる。 2名乗船に限らず、1名であってもこのくらいのロッドは扱いやすいので必ず用意してくると良いだろう。
◽️スピニングかベイトか
よく問題になるのがベイトタックルを使えるかどうか? という問題なのだが、これに関しては完全にキャスターの技量次第といったところである。 正直なところバックラッシュなどして貴重なポイントで何もできずにただ通過してやり過ごしてしまうようなリスクを考慮すると、あえてわざわざベイトを使うメリットは感じられない。 ベイトを使うかどうかはその人の好みで決めれば良いだろう。 よくボートから岸際ギリギリを狙って正確にキャストするにはベイトの方がやりやすい‥ と言われるのだが、ドリフトボートの場合はどんな達人でもまったくミスをする事なくそういったポイントを狙い続ける事自体が相当に難しい。 ミスをするたびにラインブレイク、PEラインの場合はさらにその都度ラインシステムの組み直し… などの時間ロスを考えると、敢えてリスクを犯してまでそれをする必要があるのか? どんどん魅力的な新しいポイントが次から次へと現れるのにそれらを何もせずにただ通過してしまうことの方がやはり勿体無い‥ とガイドは考える。 確かに岸際の鬱蒼としたカバーの下には良い魚が付いていることが多いのだが、ドリフトボートというか、川の流水の釣りではそういったポイントに対しては水の流れを利用して上流側からルアーを「流れに乗せて送り込んでやる」 方が圧倒的にリスクも小さく釣りやすい。 何も無理をしてまで定位する魚の真上にブッシュを掻い潜ってルアーをすべり込ませてやる芸当など必要ないのである。 ちなみにスピニングで正確なコントロールができないかというとそれもまったく否で、ラインの放出をコントロールするサミング技術はスピニングでも可能なのだ。 ここからは個人的な意見になるが、無理をしてベイトタックルで四苦八苦している人よりも、スピニングでサミングを駆使して正確なスポットへのキャストをミスなくテンポよくこなしてくるハイレベルなスピニングアングラーの方が断然カッコいいし、でっかいトラウトが今にも釣れそうだと思ってみているのは間違いなしである。
◽️ナイロンかPEか
PEラインも多くの挑戦者たちの鬼門となっている感が拭えない。 PEはそもそもキャスティングの釣りには本来あまり向いていないラインなのだが、ただその不向きを承知した上でPEだからこそ得られるメリットというものもやはりあるにはある。 例えばショアのサクラマスの釣りなどのように海や湖で一般的に常時100m超え大遠投を延々と繰り返すような釣りのスタイルなら、比重がナイロンに比べて軽くまったく吸水性のないPEは飛距離のアップと安定性という面においてナイロンのそれに比べてとても良い部分が生きてくるラインである。 PEの現場でのデメリットはというとそれはもう衆知かと思うが、まずラッシュしやすいことと、それに次いでは面倒なラインシステムをいちいち組まなくてはならないことである。
以上のPEラインの特性がドリフトボートの場合にどう影響してくるかというと… 正直いってこれは苦しい。 まずドリフトボートで大遠投を繰り返して、飛距離を少しでも伸ばす‥ということが必要であろうか? それをしなくても魚に近いところからアプローチできるのがドリフトボートの良いところである。 せいぜい遠投したとしても30〜40mくらいまでで、それを繰り返し行うということはまずないといっていい。 むしろ多いのは5〜10mの距離でのハイテンポなマシンガンキャスティングなのである。こういう使い方をする場合ラインのさばきやすさという点でPEはまったくナイロンにかなわない。 そしてそこにトドメを刺すようにPEラインのラインシステムの組み直しの恐怖がある。 すでにわかると思うが、ドリフトボートでいちばん勿体ないのは、せっかくの良いポイントをキャストも何もしないでただ流れて通過してしまうことである。 切れたナイロンに新しいルアーを結んで再びキャストをするのに要する時間は平均的に1分。 慣れた早い人なら20〜30秒でそれをやってのけるだろう。 反してPEのラインシステムをいちから組み直し、ルアーを結んで再びキャストするのにはどんなに慣れた人でも最低5分以上はかかるだろう。 人によっては現場ではできない‥ ということも考えられる。 この5分という時間の間にドリフトボートでは一体どれだけの数の魚とヒットチャンスを素通りしてしまうことか‥ 考えるとぞっとする。 まぁ特別PEにこだわりがあるか、よほどPEに慣れている人以外はナイロンラインを使おう。
◽️ルアーの基本はスプーン
ドリフトボートのルアーフィッシングの場合、その釣りの大半をスプーンで通すことが多い。実際の感覚として全体の90%をスプーンで釣り、残りのわずか10%ほどがシャッド、ワイヤー系ベイト(小型スピナーベイトなど)さらにはソフトプラスチックワームだ。 スプーンは3g , 5g, 7,g, 10gの各サイズとカラーを十分な数だけ用意する必要がある。 特に5gと7gは使用頻度が高くてロストもそれなりにあるから予備も考えて一つのカラー/サイズで最低3個ずつくらいは持ってきた方が良い。 (イトウの場合は7g, 10g, 14g, 20g, 25gを用意。 使用頻度が高いのは7gと10g) スプーンのカラーはチャート、ピンク、オレンジなどの視認性の高い色をまず必ず抑えておき、そこに加えてシルバー、ブラック、コパー、ゴールド、ブルー、レッドと続く。 スプーンの形状はオーソドックスなティアドロップ型で良い。 はっきり申せばダイワのクルセイダーシリーズだけ(イトウの場合はチヌークシリーズ) で十分である。 アワビ張りだとかそんなこだわりはあまり意味がないが好みで構わない。
◽️ドリフトならではの変則技でダイビングシャッド
トラウトでダイビングシャッド??と思うかもしれないが、これが時として強烈に効くことがある。もちろんこれはドリフトボートだからなのだが、足元まである程度のレンジをキープしてルアーを通せるのはもちろん、いちばん多いのがボートでピックアップ間際に下から「ドカン!」と食い上げてくるパターン。 こういうルアーがボート近くになるとルアーの軌道が上向きに急激に変化するのでチェイスしてくる魚にスイッチが入るのだろう。 なんにせよアングラーの目の前ででっかいやつがいきなり現れて猛然とルアーに襲いかかるのだから、こちらもビックリする。 食わせ切れないケースも多々あるので、こういうパターンに備えてイメージトレーニングをしておき、とっさに8の字でルアーを泳がせるようになれればもう立派なドリフトアングラーだ。 オススメのシャッドはOSPのパワーダンク。 何がいいって同社のルアーの製品の品質が良く、バランスでハズレを引いたことはまずない。 次点でエバーグリーンのC.Cプレデターやジャッカルのソウルシャッドなどが続くが、ガイドは大体パワーダンクしか使わない。
◽️ベジテーション対策のスピナーベイト
あと信じない人もいるかもしれないがスピナーベイトも大型のトラウトやイトウによく効く。 これもおそらくドリフトボートだからだと思うが、そもそも入れ替わり立ち代り釣り人が入っていい加減叩かれまくった魚にはまずこの手のルアーは効かないだろうと思う。 スピナーベイトの優秀なところはその形状からもたらされる高いウィードレス効果。 猛烈に水生植物の繁茂したエリアなどでその効果を遺憾なく発揮してくれる。 オススメはいくつかあるが少し小型で軽量なものが基本タックルで扱いやすい。 具体的にあげると、エバーグリーンのSR-MINI 1/4オンス や ノリーズのクリスタルS 3/8オンスなど。 アシストフックはとりあえずつけて臨み、あまりにもゴミを拾ったりが大変なようであれば外す、という具合。
◽️裏技中の裏技 ソフトルアー
ソフトルアーは状況によってはこれもトラウトやイトウに対してもひじょうによく効くルアーである。 具体的には現場で案内したいと思うが、とりあえず、バスでは定番のゲーリーのヤマセンコーとカットテイルを。 サイズは4〜5.5インチくらいのがあれば良い。 フックは当然対応するサイズのオフセットとマス針の2種のワームフックを用意してほしいし、シンカーは上記のタックルの適合ウェイトで考えて良い。 シンカータイプはバレット、ネイル、スプリットショットの各タイプを持ってきてほしい。 ルアーのカラーはアース系だけで良い。
いずれにせよ、抑えておくべきルアーは上記したこの程度のものだけで十分。 あとは現場で状況を読み、最適解を見つけ出す作業を繰り返すだけだ。
◽️フック
各ルアーのトレブルフックは全てシングルに交換する。 交換した時にサイズ感が同じくらいであればそれで良いのであまり神経質になる必要はない。 一つだけ気をつけるのはエリアトラウトやヤマメ用などの軸の細いフックだと伸ばされてしまうことが多いのでそこはネイティブトラウト用の軸のしっかりしたものを選んでほしい。 ダイワのクルセイダー5g, 7g,や激アツシリーズの一部モデルのデフォルトのフックはシングルだが、とても質が良いのでそのまま使って問題ない。 ミノーやシャッドに関してもトレブルは全てシングルに交換してほしい。
ANRESのアレクサンドラ。はっきり言って国内メーカーのトラウト用ミノーと名打っているものは駄作ばかりが目立つが、これはめずらしく秀逸なバランスに仕上がっている。
ジャッカルのソウルシャッド。 流心に入れてもキリキリ舞いしない良いバランスに仕上がっているルアーというのは実はそんなに多くない。
ミノー・シャッド系の使用価値は「スプーンよりも優れているかどうか」…の一点だと思う。 スプーンで済むならスプーンが一番良い。 シンプルに勝るものはないのだから。 Daiwa クルセイダー激アツ10g
■以下はオーソドックスな川での1名乗船時のドリフトボート用構成。 ULを軽快で手返しの良いスプーニングやミノーイングをこなすメインロッドとして使う。 フォローでML6フィート9インチ。ダイビング系シャッドを含めたあらゆるタイプのルアーをカバーする。 2〜3名でボートをシェアする場合は全員ULだけを使えば良い。
■ルアー・1/8オンスクラスルアー用 ULスピニング設定例
ロッド:Palms Rerakamuy RRTS 53UL
リール:SHIAMNO STELLA C2000SHG
メインライン:ナイロン4lb 100m(1号)
ルアー:3〜5gの各種スプーンほか1/8ozクラスの各種ルアー 3〜5cmのシャッド・ミノー ソフトルアーなど
■ルアー・3/8オンスクラスルアー用 MLスピニング設定例
ロッド:Palms Rerakamuy RRKS 69ML
リール:SHIMANO STELLA C2500SHG
メインライン:ナイロン5lb 100m (1.5号)
ルアー:5〜14gの各種スプーンほか1/4~3/8オンスクラスの各種ルアー・5〜7cmのシャッド、スピナーベイト、ソフトルアーなど
■湿原河川の1名乗船時のイトウ構成。ロッド・リール・使用ルアーともに大きくは変わらないが、超大型の20kg超のサイズヒットに備え、メインラインだけを直径を変えずに強度の高いPEにして臨む。 イトウの場合のメインロッドはML。 ULは狭小区間などのフォローで使われることが多い。 イトウの場合も2〜3名でボートをシェアする場合はUL(L)を全員が使えばうまく皆がキャストできる。
■ルアー・1/2オンスクラスルアー用 ML (Mでも良い)スピニング設定例
ロッド:Palms Rerakamuy RKSS 69ML ( 73Mでも良い)
リール:SHIMANO STELLA C3000
メインライン:SHIMANO PITBULL12 2.0号/200m
ショックリーダー:ナイロン 8号
ルアー:7〜25gの各種スプーンほか1/4~1/2オンスクラスの・シンキングペンシル・メタルジグ・ジャークベイト・シャッド・クランク・バイブレーション・トップウォーター・ワイヤー系ベイトなど
■ルアー・1/4オンスクラスルアー用 UL (Lでも良い)スピニング設定例
ロッド:Palms Rerakamuy RKSS 53UL ( 51Lでも良い)
リール:SHIMANO STELLA C3000MHG
メインライン:SHIMANO PITBULL12 1.5号/100m
ショックリーダー:ナイロン 6号
ルアー:7〜10g スプーン・1/4ozクラスの各種ジャークベイト・シャッド・トップウォーター
■北海道尻別川のレインボー
ニセコでは現在ニジマスの組織的な放流事業は一切行われていない。 つまり私たちが連日釣ってるレインボーはぜんぶ自然繁殖した野生個体で、成魚放流されたものではない。 地元、北海道の釣り師たちは、本流の野生レインボーの力強い引きを一度体験したら病みつきになることは間違いないと誰もが言う。ピンと張った大きく傷ひとつないヒレ、均整のとれた無駄のない筋肉質の魚体。 鮮やかなピンク色の虹。 これが轟々と流れる本流の流心でガツンとヒットするのだから…その後のファイトは推して知るべしである。 リールのドラッグは正確に調整しておけだとか、ラインの傷はこまめにチェックして少しでも傷があればすぐ新品に巻き替えなさいだとか、フィッシングの教科書にでも書いてあるようなそんな習慣がこの釣りを長くやっていると必要に迫られて誰でもが自然に身につけてゆく。 実際私たちは手痛いバラシやラインブレイクをこのドリフトの釣りであまりにも多く経験してきているのだ。 そもそも今までキャッチできた魚なんて全体から見ればほんの一部にすぎない。川底に消えていった虹色の巨体を見て何度悔しい思いをさせられたことか。
6月、ドリフトで水深2mの流心に流しこんだ結果。スティールヘッドフライをテイクした72cm 雌のワイルド。 腕の良いキャスターとガイドが組み合わされば尻別でこのサイズを出すのは全く難しいことではない。 トルクのあるカレントの真っ只中でのこんなワイルドのヒットではその後どんなファイトだったのかを想像してみてほしい。
プールの底から飛び出した尻別のジュエリー。数秒と手を浸していられないような冷たい水。晩秋のことだった。
雪代増水期真っ只中の4月の釣果。 70cmジャスト。 フライはゾンカー・チューブ。 KAMUYでははじめからこのサイズ以上だけを狙って釣行することが多い。 50〜60cm以下は用無しと割り切ったタックル構成で臨むことが重要だ。
暑い8月の日中にガンガンの流心の住人にシャッドをひったくられた。ルアーはO.S.P Power Dunk
9月の午後、 雨後の増水の本流で7gのスプーンでは沈めきれず10gに変えた直後のヒット。 ツアーでは5〜25gまでのスプーンを持っていく。 もっともよく使うのは7g
オーストラリアからのゲストがチューブフライで見事に仕留めてくれた。ヒット直後のダッシュが全然止まらずフルラインを超えてバッキングを20mほど出したところでようやく停止。
フライではしょっちゅうそういうことが起こるから自前のタックルを持ち込む際はフライラインとバッキングの接続状態をよく確認しておくことをオススメする。
ナイロン5ポンドラインでヒット後70m近く2回にわたって下流に走られた。 ラインは最低100mは巻いておくことを勧めるが、150mにしておくと精神的に余裕が持てる。
午後ツアーの最後の最後でのヒット。
あー今日はもうダメかなー… と思った矢先にグンっと押さえ込むようにヒット。 続いて間髪入れずに大ジャンプ数回。 鼻の曲がった見事な体躯のオスのレインボーが水面を割って飛ぶ様はさながらイルカショー。
水深2mのバイカモ群生地帯でのヒット。ここぞというポイントで予想通りに良型が出てくれた時は最高だ。ドリフトボートの釣りではガイドもアングラーも共に喜びを分かち合う。
ドリフトボートガイドだからこそ熟知している本流区間の鱒の付き場を全26箇所紹介。大型トラウトの高確率に居着くポイントをGPSガイドでピンポイントに案内する最強マップがこちら。最新のGPSの誤差範囲はなんと±1m以内。 車の駐車オススメ場所からポイントまでの歩行区間を動画で案内、立ち込みの指定位置、キャスティング方向から狙いを絞るレンジに至るまで完全に網羅。これだけで歩きのフィッシングガイドを頼むのと全く同じ状態になれるまさしく「オンライン・ガイド」とも呼べる決定版。
■ドリフトボートのシーズン
ニセコ地域では川が結氷して雪に埋もれる1〜2月の厳冬期と雪代増水の4〜5月初旬以外は全てドリフトボートのツアーを行っている。また道東地域では2022シーズンから9月のアメマス狙いのパターンで常態化。 道北地域では主にイトウを対象に5/6月と10/11月の年2回のシーズンがある。 季節・対象魚ごとの適期は表の通りだ。
3月。 下流域でアメマスを狙う。 気温が上がると魚も動き出すが、午後になって雪代が入り出すと水温が下がり、途端に食わなくなるので昼までが勝負。
ドライフライ好きにオススメなのがモンカゲロウの羽化する6月。 風の止まった夕刻のいっときポツポツとそこいら中で羽化が始まる。 この時だけはふだんベイトフィッシュばかり追い回してる大型のレインボー達も小魚に目もくれず水面の虫に夢中。
釣りはいたって簡単。ボートからチョイ投げして待つだけ。
どっぱああああ〜〜〜〜ん!! とものすごい音立てて水面が炸裂する。
心臓に悪い釣り。
7月 ニセコのスイング-フライフィッシングによるワイルドレインボーの釣り。ドリフトの特性を生かして本流の良型だけを「狙い撃ち」にしてゆく。
9月 KAMUY道東。 1日に数十キロメートルの区間を川通しに釣り下ってゆく。 流域のすべてのサカナを「総釣り」である。
10月になり、朝夕の気温が一桁台に下がる日が増えてくると魚の活性が急上昇する。 シーズンの最大魚が出るのは大体いつもこの頃。 夕方風が止まった直後、水面のあちらこちらで派手な水しぶきが上がり出す。 勝負タイム。
10月。 ドリフトの最大の強みである「ポイント踏査範囲の広さ」を存分に活かす事のできる湿原河川でのイトウ。 KAMUYガイドはもはやこの分野でのパイオニアとなっている。
7月、この日はプライベートのドリフトで中流部の通称「秘密の楽園」でじっくりと腰を据え、サイトで大型魚の動向を探る…
レインボー、ブラウン、イトウ、アメマスと何が出てくるかわからないのも7月のいいところ。
初夏は1年のうちで最も素晴らしい季節。緑は濃くて虫も活発に動き、水もまだ綺麗で冷たく魚たちの活性も高い。 思いのほか釣り人が少ないのも良いし、何かと気持ちの良い時期なので何日か滞在して釣りをするなら間違いなく6月〜7月をオススメする。
■アドバイス
考えるよりも実践あるのみ。
昨年のあるゲストの談話。 「ズーー〜ーっと、ウェブサイトとか見て悩んで悩んで迷っていたけど、勇気を出して申し込んでよかったです。 」 興味のあるもの、わからないものはまずはやってみることだ。 ことドリフトボートに関してはネットやSNSに情報は全くない。 考えるよりも実践する方が手っ取り早いのである。
ニセコのドリフトで味をしめたのか彼は‥(ゴメンなさい) その2〜3ヶ月後にはもう道北でイトウを釣り、アメマスを釣り‥ 今年はさらに大イワナやカラフトマスの秘境釣行。 さらにはオフショアのブリやマグロ、シイラのフライフィッシングにも挑戦してみようか、という勢い。 …いったんガイドと疎通がはじまると後はトントン拍子でほんと早いから、最初だけはちょっとだけ勇気を出してガイドを申し込んでみよう。
狭い日本では世の中の人々の動き方にも注意。
これはもう日本ではどこに行っても仕方のないことだが、日本はとにかく狭い国土面積に対して人の数が多い。こと淡水の釣りにあって、これは魚にとってはもちろん釣り人同士であってもお互いにストレスのかかる要因となっていることはもう誰もがわかっていることだと思う。情報のまわりの早い令和の現在にあっては、他県に比べて広く人口密度の低いと言われる北海道であってもそれは変わらないのだ。 そんな中でもドリフトボートはまだ歩いて釣りをするよりは、はるかに良い魚に出会える可能性が高い釣りであって、価値あるものであることには変わりはないのだが‥。 良いシーズンの週末や祝祭日などはドリフトボートの入る本流区間などにも、藪やブッシュを漕ぎ分けて釣り人が入釣してきていることがある。 せっかく苦労して歩いて入ってきた彼らにとって上流から釣竿を携えて川を下ってくるボートとの遭遇は当然、彼らにとってあまり喜ばしいことではないだろうから、せっかく北海道で清々しい気持ちでドリフトを楽しみたいなら、できることならばそういった釣り人が増えてくるタイミングというのは最初からわかっていることなので避けたほうが良いのは間違いない。 土日、祝祭日、連休、大型連休などは特にこのことに注意しておく必要があるだろう。一般の歩きの釣り人達にもちゃんと魚が釣りやすいように配慮してあげる余裕をドリフトボートの釣り人は必ず持つべきものであると思う。 kamuyのガイド達は皆それぞれにこのことをよくわかっているので、ドリフトボートや渓流などの比較的狭いフィールドでの釣りは自分たちは各週の一般人の少ない平日に行い、一般人の多くなる週末やその前後のタイミングではより広大なフィールドである大きな湖や海でのまた違ったボートの釣りに専念して悠々と良い釣りをしている。 要は世の中の人々の動向をもうまく判断して皆、大型のトラウトやサーモンを釣ったり数釣りをしたりと、気持ちの良い釣りというのはこうして工夫して実践するものなのだ。
ブラックバスの釣りは北海道のドリフトボートの釣りと極めて相性が良い。
これは以前から言っていたことだが本当である。 バスのオカッパリやボートのアングラーがこの釣りへの適性が高い理由として次の2点があげられる。 1. 遠投よりも近距離のキャストコントロールや手返しの速さが重要になるから。 2. 体勢やスペースを規制された中でいろんなキャスティングのバリエーションを身につけていることが多いから。(フリップ系のキャストやピッチング、また時には利き手の反対のバックサイドでのキャストなど) ということになる。 野池のバス釣りなどは自由にのびのびとロッドを振り回してキャストができないようなシチュエーションが多いため、自然と様々なキャスティングのテクニックが身につくのだろう。 そういったバスのテクニックをドリフトボートのトラウトの釣りでは存分にいかすことができるのである。
遠投不要、必要なのは正確でトラブルの少ないキャスティング
ドリフトボートの釣りは全行程を通して本流の釣りになる。 本流釣りの最大の魅力は生息している魚のサイズが平均的に渓流魚よりも大きいこと。 反面ポイントは深く流れは強いため、渓流とは全く違った道具立てとテクニックが必要になる点に注意が必要かもしれない 初挑戦の場合、はじめのうちは魚がポイントにどのように付いているかが全く想像できずに苦労するかもしれない。 その辺りは現場で実際に釣りをしながらガイドから説明させてもらうことになる。ドリフトボート初挑戦で始めてすぐにうまくこなす人はまず存在しないが、初日の半日くらいで大体の方がボートの釣りに慣れて最後の方ではちゃんと楽しんでいるので、あまり心配しすぎる必要はない。 強いて挙げるとすればキャスティングのスキルは磨いておくに越したことはない。 ボートなので大遠投する必要は全くないので遠投スキルではなく「キャスティングの正確さ」と「手返しの速さ」 を重視して練習してくるとすぐに現場で役立つ。
アワセは確実に、良型のバラしで多いのはフッキング不足による水際でのフックアウト…
アワセ不足。 フックアウトで良型をバラす人の大半がこれが原因と思われる。鱒もある程度以上の大きさになってくると口まわりの骨や皮膚はかなり分厚くて硬くなっているので、イワナやヤマメの渓流釣りのような軽く竿を立てた程度の合わせ方ではフックポイントが貫通しない。 針先だけでかろうじて引っかかっている状態のまま手前まで寄せてしまい、最後はバラすという失敗のパターンが本当に多いので、遅合わせでも全く問題ないのでアワセだけは確実にロッドのバットが弧を描くくらいにガッチリと入れておく。 使うフックもワイヤーの太いものになればなるほど貫通させるのにそのぶん強いアワセが必要になるということも併せて覚えておいてほしい。
教科書通りのことを面倒くさがらずにキッチリやっておく
他にもコツがたくさんあるが、まともな釣りの教科書なら当たり前のように書いてあることばかり。
1. ラインの傷をこまめにチェックし、傷があれば交換すること。ラインの強度チェックは現場で常に行うこと。
2. リールのドラグは正確に秤で測定して調整しておくこと。
3. フックポイントが甘くなっていれば研ぎ直すか交換すること。
4. 魚が走っている間に絶対にドラッグを閉めないこと。
…などなど、これらをキッチリと行って是非、本流鱒をキャッチしてほしい。
■ドリフトボートのガイドフィッシング
ドリフトボートを使用する川下りフィッシングツアーを毎年3月〜12月に催行している。 人数や予算、目的に応じてツアータイプを選ぶと良いだろう。 (日帰りガイドは2021年度は廃止となりました。 )
■北海道の各河川別申し込みガイド
北海道の憧れのあの川でKAMUYのドリフトボートをしたいのだけど、どうやって申し込んだら良いかわからない、という場合は下記のモデルプランを参考にプライベートガイド から申し込んでほしい。
・尻別川 プライベートガイド もしくはファミリードリフトボートで、オススメ時期は5月末〜7月末ついで10月〜11月 日程は1日から可能。
・十勝川 プライベートガイド のみ対応 オススメ時期は7月8月 日程は2日以上から。
・釧路川 プライベートガイド のみ対応 オススメ時期は9月 日程は1日から可能。
・天塩川 プライベートガイド のみ対応 オススメ時期は6月7月と10月11月 日程は2日以上から。
・空知川 プライベートガイド のみ対応 オススメ時期は6月7月 日程は1日から可能。
他にもあるある… あんな川やこんな川。
後志利別川・朱太川・余市川・千歳川・石狩川・鵡川・沙流川・歴舟川・徳志別川・渚滑川・猿払川・声問川・網走川・斜里川・美瑛川・阿寒川・別寒辺牛川・西別川・標津川・忠類川・風連川などなど多数…
■ドリフトボートに関する問い合わせ
ドリフトボートのことをもっと知りたい。 あんなことやこんなことは… できるの? どうやって申し込んだらいいの? 申し込みたいけど場所や日程を自分で決められない、とかそういった問い合わせがものすごく多く寄せられる。 KAMUYのQ&Aのページでは過去に多く質問のあった問いに対してのデータベースが蓄積されているので、ぜひそちらものぞいてみてほしい。 きっとあなたが知りたいことへの答えももそこで見つけることができるはずだ。