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3月。   

 

札幌からも程近い積丹半島   「神威岬」 

 

北海道で最も美麗なターゲットの釣りがこの岬の周辺で最盛期を迎える。

均整のとれた魚体。 所謂「小顔」「くびれボディ」  

 

モデル体型のこの優美な魚はサクラマス。  

地元では単にマスと呼ぶ。ロシアでは”Seema"シーマ。 

 

​シーマ。これが北海道のヤマメ。

​とりわけ体高の張った魚体を「板マス」と呼んでいる。

 

これが昔からこの積丹半島近海に多く生息していて頻繁に釣り上げられることから毎年この時期になると半島の先端に近い港は板マス、”シーマ”狙いのアングラーで賑わいを見せる。

​大型のもので70cm 5kgほど。  過去には6kgを超えるサイズも上がっている。 アベレージサイズは3月末で2kg前後が大半。 3kg台は1人1日1〜2尾釣れるかどうか。 4kg越えが出たらやったね、という感じ。 5kg越えは誰もが目標とするサイズ。 

​シーマの釣りは主に船からの釣り。 大きく分けて3つの釣り方がある。一つは中層で棚を絞って狙うジギング。  二つ目はやはり中層で行う「バケ釣り」と呼ばれる700gの三角錘のようなものを上下して胴付き仕掛けの毛鉤で誘うもの。 3つ目は「シャクリ釣り」と呼ばれるやはり擬似針の1種を使うもの。シャクリはこの地域の伝統的な漁具がルーツと言われ、プラスチックと鉛のハイブリッドで作られるが、中には水牛の角などのレアな素材を使ったものも存在する。

​シャクリは1本5000円くらいから高価なものになると数万円もするようなものまである。  これは地元のプロショップで販売している伝統的なシャクリの製法をそのまま現代のメタルジグに応用したオリジナルのジグ。 1本2500円ほど。重さは200gと250gの2種類。 真ん中あたりに塗装の上からでもなんとなくつなぎ目が見えてて、こっからがプラスチックでこっち側が鉛なんだなーってのがわかる。

​使い方はタナを決めてロッドを上下するのみ。 地元ではヨーヨー釣りとか色々言われているが、ポンっと強めに上げてからのフォールで食わせる感じ。  フォールで姿勢を崩しすぎず微細に身を震わせるようにするためのハイブリッド構造なんだとか。

​そんな重いの振り続ける脳筋プレーはわたくしチョット無理… という普通の人もいちおう安心。 最近ではライトジギングで狙う人も増えてる。 オススメは最近もはや時代の主流になりつつあるスロー系 ZETZ SlowBlattのRやらSやらキャストやらなんやらかんやら。  よーするに60gくらいのジグ。

​ただ、シャクリ系のジギングも一度コツを掴んでしまうと思ったほどは疲れないのでどうせなら地元式の釣りをやってみてほしい。

半島先端部の主だった漁港から船が出ている。彼らがまず朝一で真っ先に目指すポイントは通称「 サルワン 」 と呼ばれる神威岬の南西側に位置する海域。 北西風の風表に当たるため時化やすいが1年を通じて様々な魚の付き具合はピカイチの好漁場だ。  最もサルワンに近い2つの漁港のうちの一つ「余別漁港」は多くの船とアングラーで今日も賑わう。  

余別の漁港から10分も走らずにポイントに到着する。港からポイントが近いのはいいことだ。この日の夜明け前の気温は氷点下2度。  防寒着にただ包まれただけでは保温力が足りないので使い捨てのカイロを10個ほど上着の各所に貼り付けて「発熱服」で完全防備していく。   行きの車の中で暑くて汗だくになるくらいが船の上ではちょうど良い具合。   北国で生きるってほんと大変です。

釣り方いたって簡単。みんな仲良く並んでタナ決めて竿上下するだけ…   などと思いきや意外にコツやらなんやら多いと言うのはよくある話。  この釣りもやっぱりそう。

結論から書くと…  

 

コツ1。マスはタナとりがホントに命。  アタリ棚にいかに素早く正確に合わせるかが釣果の別れどころ。他の釣り人のアタリ棚をいかに正確に自分でも再現できるかなのだが、最近はラインカウンター付きのリールをみんなで使いましょうねってことで一致している。この日は20m。

 

コツ2。 マスが仕掛けを食うのはほとんど「落ちる」とき。 落ちるとこをいかに魅力的に見せるか。ジャーク後にラインスラックを多めに入れてフリーフォールにしてやるのが吉。 ハイブリッド構造のシャクリが最も良い動きをする瞬間だ。シャクリ幅はロッド1本分跳ね上げるような大き目からロッドを軽く曲げるに止めるくらいの控えめなくらいまでの範囲で魚の活性に合わせる。 朝イチ大きめに、少し日が昇って反応が変わってきたかな、と思ったら小さな動きに変えたりといった具合。ライトジギングでも基本的には変わらない。

コツ3。  カラーでけっこう明暗別れる。  積丹で鉄板と言われるのがグリーンゴールド。  次点でブルー系。  穴でパール系。

​筆者はと言うと…  マスジギングチームから一人離れて相変わらず協調性のない無人の野をゆくが如くの試行錯誤、もといホッケ釣りに夢中。もはや性格です。

こんなやり方だとホッケ50 マダラ20 マス1くらいの割合で釣れてくる。 試しに色々やってるがイマイチこれだとマスには合ってない。 やはりマス狙いなら棚は変えない方がいいんだろう。

ライトジギングのロッドはML。 メインラインPE0.6号 

​この時期のマダラは産卵後。  タチもマダラ子も抜けて腹は空だがホッケを食っている。ホッケは大ナゴ食べてるし食物連鎖よね。なんて呆けてると突然マスにジグをさらわれる。 ヒメマスやトキシラズの時もそうだが沖で銀毛のサケマス釣るときは口切れ身切れに要注意。彼らの体は柔らかく組織が壊れやすいのだ。 リールのドラグを少し弱めに設定してアワセもソフトに、やんわり寄せてきてからの… スパッとタモですくっちゃうという湖のヒメマスや知床沖のトキシラズを思い出させるあの戦法。

​…大事な大事なコツ4です。  

マスヒット。

シャクリ系のタックルはロッドパワーはMくらいの青物用。 棚が20m前後と浅いためシャクリ自体は重いが長さは6フィート以上あった方がやりやすい。リールはカウンター付きが◎  メインラインはPE1号を使用。 

​銀のウロコがポロポロとれてしまうのは美味の証。

沖で釣れる魚体はプロポーションが良く綺麗な上食味も良いということなし。これがひとたび接岸するとどんどん痩せていくから残念だ。

​サクラマスは沖にいるうちに釣るのが玄人の選択。 

 

 

​せっかくGopro持ってきたことだしマジメにヒットシーン撮ろうとして不真面目のバチ当たりの瞬間。🤣

このくらいのが時合になるとバタバタと釣れる。

 

​釣獲制限尾数は1人1日10尾まで。3月末ごろは魚影も濃く良い日なら1人平均で4〜6尾は釣れる。慣れた手際の良い人は10尾でストップフィッシング。   オフショアのサクラマス釣りはライセンス制。  ライセンスを取得している船に乗船すれば釣りが許可されるという仕組み。

​シーズンは3月〜4月で3月末くらいが人気。 4月に入ると魚体は大きくなるが群れの密度にムラが出始め日によっては当たり外れが出てくる。4月中旬以降にイルカの群れが入ってくると全く釣れなくなるのでそれまでが勝負という感じ。

北海道のヤマメ釣り、ことシーマジギング。積丹半島先端部へは札幌から車で2時間ほど。 高速道路が最近余市まで延伸され移動は快適。 沖上がりは昼前くらいだがポイントが港から近いので夕方の東京行きの飛行機には余裕を持って間に合う。 

 

半日の余暇が取れるなら札幌出張のついでに試してみてはどうだろうか。

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